MASUDA Leather

株式会社増田は下町で100年以上、主に鞄などの革製品を作り続ける老舗会社です。熟練の職人の手によって生み出される革製品は、ずっと使い続けることができる実直で丈夫なものばかり。文字通りメイドインジャパンを表すような職人集団です。そんな長年脈々と受け継がれた革の加工技術によって、これまで手掛けたことがなかった新しいプロダクトにチャレンジしたいという要望を受けてデザインに着手しました。

製品を生み出すヒントとなったのは、会社を見学した際に伺った鞄の縫製技術についてのこと。職人がひとつひとつ手作業で縫いあげた縫製は固く堅牢で、たとえ人が乗っても裂けることがないくらい非常に丈夫なものだと伺いました。そして革は長年使うことで馴染むように育つ素材です。縫製技術と革という素材。そのふたつを組み合わせたときに、革の椅子という選択肢が生まれました。

熟練の職人によって縫いあげられた縫製は非常に丈夫で、ひとの身体をしっかりと包むように支えてくれます。そして経年と共に革は身体のラインに沿うように馴染み、座り手だけの椅子に育ってくれます。使い続けることで座り心地が良くなる家の中の相棒。そんな椅子になればと思いデザインを手がけました。株式会社増田の革職人によって生み出されるレザーファニチャーが、会社の新しい可能性を広げることができたら嬉しく思います。

クライアント : 株式会社増田

Direction & Design : Mitsuyoshi Kikuchi , Photo by Nobu Ueda

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