Perch clock / とまり木の時計
時針が昆虫、分針が植物をモチーフとした掛け時計。時計の時針と分針が交差するとき、1時間に一度だけ昆虫が植物の上で羽を休めるようになっています。人も情報がめまぐるしく飛び交うようになった現代社会。インターネットですぐに情報が得られるのはとても便利ですが、なんだか時間に追われるばかりでのんびりできる余裕がなくなってきている気がします。日々時計と睨めっこすることが多くなってきているからこそ、時間を確認するときに安らぎを感じることができるような時計を作ることができないかと思い、この製品をデザインしました。ふと時計を見上げた時に、枝や葉っぱの上で休憩する彼らの姿に出会えたら、ちょっとだけ気持ちも安らぎませんか?もしかしたら、今日はいつもよりちょっとだけ良いことがあるかも。
単なる針の交差も、ほんの少しデザインを加えてやるだけで特別な意味を持ってきます。時計の針を植物と昆虫に見立てることで、素敵な物語が生まれました。その物語が、私たちの時間に対する感覚をちょっとだけ考え直させてくれると思うのです。時間に追われていた人も、もしかすると針が交差するのが楽しみになるかもしれません。慌ただしい朝の準備にも、心の余裕が出てくるかもしれません。この製品には、そんな時間の概念を変えるきっかけとなるように願いを込めました。仕事に打ち込むのも良いですが、たまには時が流れるのを忘れてぼんやり時計を眺めてみるのも良いかもしれません。
サイズ:W254×D50×H254
素材:合板、ガラス、ムーブメント
クライアント:株式会社タカタレムノス
Direction : Mitsuyoshi Kikuchi , Design : Yuka Masuda / Photo by Keiko Hirata